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赤川音響 Master Directシリーズ発売に向けて マスターダイレクトは、レコーディングされたフォーマットのまま、皆様の元に「原音」をお届けする新企画です。「生音」ではなく「原音」です。色々な意図を込めて制作された音源を、可能な限り忠実に再生して楽しんでもらおうとうすると、「Mixdown Masterをそのまま再生する」という方法が、最も理にかなっていると思います。幸い最近ではコンピューターを介在すればDSDファイルをそのまま聴くことが簡単にできるようになりました。 「そんな高音質なんて必要ない。MP3で充分だ」 という意見があるのも分かります。でも、多様性のない世の中はつまらないですよね。MP3で充分な人が居れば、極限の高音質を求める人も居る。ですから、エンジニアも「圧縮に強いタフな音を得意とする」人が居るのと同様に、「最高フォーマットを大音量で再生するとキモチイイ」人が居ても良いはず。僕はもう自分が音楽を聴く時も大音量派だし、音量を上げても煩くならない音楽を好んで聴いています。そっちの方に嗜好が偏るのは無理もない話で、だったらいっそ「一番良い状態を届けるべきだ」と思うに至りました。ダウンロードできた方が手軽ですし、その方が多くの人に聴いてもらえるチャンスが広がるのかとも思いますが、そもそも高品質オーディオファイルを必要とする人達は、「手軽さ」とか求めていないんじゃないかと、勝手に思う事にしました。(DL販売するには、途方もない手間がかかるのです。エンジニアを生業としている人種には、全く無理としか言いようが無いです。) Master DirectシリーズはDVD-Rなどでデータ販売する事を決めたので、例え少数しか販売が望めない(失礼!)と思われる音楽でも、一定数のプレスという工程を必要としないので、カタログに載せる事が可能になります。そもそも「売れるか売れないか」という重大な要素を、販売者が憶測で決定しなければならないという過程にも違和感がありますし、できるだけ多くのカタログを揃えて、ユーザーに「買うか買わないか」という選択権を委ねる方が健全に思えます。 僕がProtoolsを手にし、スタジオ以外の場所でローコストレコーディングが可能になった頃から、「ミュージシャンから直接録音をオーダーされる」という、いわゆる自主制作の機会が増えました。一般的なアルバムの制作費が700万円前後だった頃、自主制作など夢のまた夢。スタジオを使わずに本人の自宅や公共のホールなどを借りてレコーディングするようになり、コストを極限まで抑えて100〜300万円程度になりました。まだまだ個人が出すには大きい金額です。色々な場所でレコーディングすることは、僕にとっても挑戦の多い勉強の機会ですので、遂に自分のギャラを半分に削り、レコーディングすること自体を目的にするに至りました。自主制作ならではのチャレンジングなレコーディングは非常に楽しく、勉強にもなり、沢山のミュージシャンに出会う機会を授けてくれました。でも僕は、それでも毎回本人達に伝えていたのです。「ギャラは半分で良いから、ハイクオリティ版を売るときは権利を貸してね」と(笑)。 いつか「ハイサンプリング・ハイビット」が再生できる環境が揃うはず。そう信じて機材の負荷を顧みず、96KHzや192KHzやDSDでレコーディングしてきたのです。音楽的にも珠玉の作品ばかり。15年ほど録り貯めた音源の中から、MIX再現可能なもの、権利関係がクリアできるもの、そして何より「キモチイイもの」を選りすぐってお届けします! これからも、どんどん新作を発表していけると思います。ご期待下さい! 皆様にお願い Master Directシリーズはプロテクトフリーで販売されています。このやり方は、僕のようなフリーランスエンジニアから直に「原音」をお届けする方法として、やむなく選ばれているにすぎません。とはいえ、いかなるコピープロテクトを施したとしても、いずれ破られてしまうのが常ですから、この販売方法自体は問題とは思っていないのです。 皆様へのお願いは、このDVD-Rを持って友人のオーディオルームや拠点としているスタジオに遊びに行ったりした時、友人の機材に全曲コピーしたりするのを止めていただきたいのです。1曲ぐらいはプロモーションになるから良いか・・・いやいや、できれば聴いた後に削除してもらってください(笑)。このシリーズが続けられるかどうかは、皆様の良識に委ねられているのです。沢山売れて利益が出れば、僕の制作環境が進化し、もっともっと良い音を高い頻度でお届けできるようになるはずです。この方式を追随してくれるエンジニアが新たに現れるかもしれません。エンジニアとミュージシャンに投資するような感覚で、お買い上げいただいたデータを大切にしてくだされば幸いです。 文責 赤川新一 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - Master Direct(ハイレゾ音源)の再生方法 様々な方法がありますが、全てのフォーマットを再生可能な方法をご案内します。基本的には、コンピューターに再生用ソフトウエアをインストールし、オーディオファイルを再生します。専用DACを購入するのが最も確実です。 1,KORG Audio Gate http://www.korguser.net/audiogate/jp/ KORG DS-DAC-10(USB DAC・5万円)を使用 192KHzまでのPCMと5.6MHzまでのDSDファイルをネイティブ再生することが可能 http://www.korg.co.jp/Product/Audio/DS-DAC-10/ 2,TEAC HR Audio Player http://teac.jp/product/hr_audio_player/ TEAC UD-501(USB DAC・11万円)を使用 384KHzまでのPCMと5.6MHzまでのDSDファイルをネイティブ再生することが可能 http://teac.jp/product/ud-501/ 3,ProtoolsなどのDAWで再生 PCMファイルに限ってですが、ほとんどのDAWでは192KHz・24bitまでのファイルを再生可能です。 *コンピューターのオーディオアウトで再生することもできますが、 USB DACなどを接続する事によって最大能力にて再生可能になります。 *iTunesやQuicktimeなどで再生したい場合、それぞれの規格に合わせてコンバートする必要があります。
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